写真の役割

断捨離の流れで、古い写真も手放す事にした。

が、現代のデジタルデータとは違い厄介なのがプリントした写真とアルバムだ。

膨大な量と重さで、クローゼットの一角を占領し、長年そこに鎮座し続けている。


写真というものは、在りし日の記憶の断片だ。

亡くなった家族やペット、会わなくなった友達、思い出の場所の光、色、匂い。

様々なものを思い起こさせてくれる、タイムカプセルのようなもの。


だからこそ、

何気ない瞬間ー

たとえそれがブレていたとしても、

瞬時にその日その時の記憶へタイムトリップできるものだったりすると、

捨てる事はままならないし、

ページをめくるたびに手を止め、

当時の思い出や感情に浸ってしまい、

全く捗らず、ただの『思い出の時間旅行』と化してしまうのだ。


捨てた写真はもちろん戻らない。

ネガも無く、データはあるはずもない。

捨ててしまえば、永遠の別れなのだ。

iPhoneで撮影、またはプリンタでスキャンしておけば

データとして残すことも出来るが

どっしりと厚いアルバム何冊分もの写真を一つ一つ撮影するなど、

気が遠くなる作業だ。


昨今では、業者に依頼すればデジタルデータ化

もしくはフォトブックにして残してくれるサービスもあるが、

金額の事を考えると、個人的には現実味を感じなかった。(一応何社かリサーチ済み)

そんな訳で、目の前に積み上がった大量の写真とアルバムの山を、

少しずつ自分の選別で減らしていくしか道はなさそうなのだ。


片付けるには着手するしか方法はない。

そこで私は、小さなルールを決めた。


⚪︎黒歴史の記録(恥ずかしいと感じるもの)

⚪︎飲み会関係の、酔っ払いのノリで撮った写真

⚪︎ご縁が切れた人たちの写真(今後連絡する事は無さそうな方々) 

⚪︎義理で参加した会合での記念撮影

⚪︎同じシーンの重複

⚪︎あまり良い思い出ではないもの


これらの写真をどんどん手放していく。

逆に、絶対に残すのは


⚪︎ペットの写真

⚪︎亡くなった家族が少しでも写っているもの

⚪︎家族や大切な人達との思い出

⚪︎バレエの生徒達との思い出


上記の基準に従って、小さなアルバムと、束にして箱に詰めていた写真の選別をした。

結果、ゴミ箱2/3くらいの量の写真を捨てた。

とは言え、まだまだ本丸の分厚いアルバム10冊は手付かずのままなのだが。

【思い出の選別】は予想よりはるかにエネルギーを消費するので、

気合いと体力がかなり必要だ。1日で出来る作業はここまで、と見切りをつけ、

私はその日の作業を終えた。


アルバムに入りきれてなかった写真も全てアルバムに納め直し、

さっきより少しだけ軽くなった箱を、クローゼットの1番上の棚に戻した。


…疲れた。


だが、デジタルデータとは違い

プリントされた写真には独特の温度を感じた。


特にインデックスプリントには撮影時の『時間経過』と『被写体との関係性や日常』

が見てとれて、なんとも言えない懐かしく切ない気持ちにさせられた。

当時のAPSの写真を現像すると、現像時にフィルム1本分の全コマを

1枚の印画紙に小さく並べて焼き付けた「インデックスプリント」

というものが必ず付いてきていたのだ。


数枚のインデックスプリント。

亡き祖母、亡き父、当時一緒に暮らしていたうさぎ達。

そのうさぎを大切そうに撫でる祖母の手、

うさぎを抱いてはにかむように微笑む父の姿。

あの日あの時の、実家での何気ない日常。


祖母も、父も、うさぎ達も、実家も。

全て何一つ今はこの世に存在しない。


小さなインデックスに顔を近づけ、食

い入るように眺め、ふっとため息をついた。


人はいつか死ぬ。

私もいつまでも生きているわけではない。


残りの人生で、何を残して大切にしていくべきか。

何と向き合っていくべきか。限りある時間を誰と分かち合うべきか。

色々考える。


誰かが 

『たった一つのスーツケースさえあればどこにでも引越しが出来る』

と言っていたのをふと思い出す。


私はまだまだ全然だ。

もっと身軽になりたい。

自分の命が尽きる時、モノに溢れかえった部屋を残したくない。

もっとどんどん、しっかりと自分とモノとの向き合い方を

深めて行くべきだなと改めて思った。


シンプルに生きる。

人間関係も、モノも、

年齢を重ねるごとにどんどん身軽に。


断捨離はこれからもずっと続けて行くべき、

私の今世での宿題かもしれない。

※↓使用した写真は、叔母の形見分けで貰った祖父の写真。

ちなみに生まれる前に亡くなっているので、私は会った事がない。

(じいちゃん勝手に写真使ってごめん)


※note記事 2026年4月27日より



Bellydance Najm Fukuoka

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