踊る事の意味
先日9月15日は、宗像の敬老会で踊らせていただきました。2部構成、衣装チェンジありの全7曲。絶賛喘息発作の最中だったので不安も多々ありましたが、何とか踊り切る事ができました。
体力が万全でなく(ここ1ヶ月、喘息のせいで体力激落ち)咳発作という爆弾を抱えた中。準備期間も短い。そんな中で自分に何ができるのか。いつもよりも沢山、沢山。考えました。
わざわざ踊りを観ていただく事の意味とは。
ハフラやショーなら興味のある方が足を運んで下さる。だけどこのようなゲストとしてお招きいただくイベントは、殆どの方がベリーダンスを観た事が無く、しかも興味をお持ちでない場合が殆どです。そんな状況で20分も30分もわたし1人のパフォーマンスをじっと座って観なくてはいけない事。これはなかなかにしんどい【拘束】な訳です。
100歩譲って、まだわたしが若くて可愛いとかなら【容姿と若さ】で惹きつけられるものがあるかもしれない。だけど生憎若くも可愛くも綺麗でもない。では何をどうやれば興味を持って楽しくご覧いただけるか?
浅はかな頭なりに必死で考え抜いた末、観てくださる方々に踊りや曲を通して【記憶と感覚の再現】を体感していただく事。ここに行き着いたのでした。
わたしは音楽や自然の風景、匂い、色、光を通して、ある種の【懐かしさ】を感じるのがとても好きです。これは多分物心ついた頃からの心の【感覚】だったと思います。
これらがトリガーとなり
グッと世界に惹きこまれ、心が波立つ。
ある種のノスタルジーや厭世観、寂しさや幸福感、悲しみや希望など、様々な感情が引き出されて過去や未来を彷徨う。それがたまらなく好きでした。もちろん今もその感覚はわたしの中の最も敏感で自分の本質に1番近い所にあり続けるものの一つです。
では何を踊れば皆様の心に響く?
昔の大切な出来事やその時の感情を思い出したり、今まで歩んできた人生に思いを馳せたり、大切な人たちとの出会いや別れを想ったり、あるいは【今ここ】の刹那的な楽しさに興じたり、何かしらの感情を掻き立てるような踊りで【伝えたい】。【感じて欲しい】。
そこを強く意識して選曲し、
選んだ曲に対して自分もそのような感情にアプローチしつつ俯瞰的に表現する事を心がけました。
以前も書いたのですが、わたしは約3年前に【自分の限界まで自分の踊りと真摯に向き合い、表現する事を続ける】と誓いを立てました。
踊りは絵や書と違って、観ているその時一瞬で消えてしまう表現方法なので、観てくださる人たちに【記憶】として、あるいは【心に響く何か】をお土産として持って帰っていただけるようなパフォーマンスがしたいと日々心がけて練習を続けています。
昔は自分が何を踊りたいかとかどう観られたいかとか自分主体で考えていましたが、今はひたすら【観る人の心に届く】言語として、表現ツールとしての踊りを目指しています。
そんな訳で今回の7曲の選曲と構成の意味付けは
まず①ベリーダンスの曲で皆様へ祝福の気持ちを込めて踊り、②懐かしいあの頃!若かりし頃の思い出へのアクセス、③少し緊張感と躍動感のあるスリリングな曲で興味を掻き立てる、④みんな大好きなおなじみの演歌でググッと世界観に浸って楽しんでもらう、⑤お茶の間の定番。家族で食卓を囲んで笑い合った懐かしいあの曲、⑥懐かしい名曲。青春時代の思い出にアプローチ。⑦自分の今まで生きてきた人生を振り返る。出会いと別れと歩んできた道へ思いを馳せる。
こんなイメージでセットリストを組みました。
わたしの頭の中の映像を踊りとしてアウトプット出来たか、どのくらいの方々に届いたかは分かりません。当日の事を反芻すると沢山反省点や改善すべき点がありますが、その日出来る事は精一杯出したのではないかと思います。
観てくださった方々の表情や、口ずさみながらグッと目にチカラを込めて見つめてくださる様子や、笑顔、笑い声、沢山の歓声と拍手。心が通じ合えたような高揚感も相まって、踊り手としてとてもしあわせなひとときを共有させていただきました。
今回の、【ご長寿をお祝いする】宴。
わたしなりに皆様お一人お一人の尊い人生と、歩んでこられた長い月日にリスペクトを込めて踊らせていただきました。
嬉しい事に、帰りに【来年のご予約】を頂戴しました。来年も皆様にお会い出来る!わぁ、何を踊ろう?有り難いオファーにワクワクしながら帰路につきました。
この度は本当に素晴らしいご縁、しあわせなひとときをありがとうございました。また皆様にお目にかかれる日の為に、これからも日々精進していきたいと思います。
頂いたかわいいブーケ。
ありがとうございました❤︎
0コメント