断捨離ノススメ
9月になって、断捨離にハマっている。
もともとミニマリストに憧れていて、ホテルのようにシンプルで、必要最低限のモノしかない
部屋に住みたいという思いはずっと持ち続けている。
だが現実はそうはいかず、趣味のモノ、本、ダンスウェアや衣装、その他色々、様々なモノ達に溢れかえって我が部屋のエントロピーは増大の一途を辿っている悲しき状況だ。
わたしは掃除は得意だが、片付けは苦手だ。
よく子供の頃から引き出しの中やカバンの中がカオスになって怒られていた。随分大人になった今もそれは多分変わっていない。つい、引き出しやクローゼットにモノを詰め込んでしまう。
詰め込んだモノ達を頻繁に使うかというとそうでもなく、ただ『捨てられない』『いつか使うだろう』『無いと困るかもしれない』という漠然とした不安や不確定な未来への備えとしてモノを持ち続けてしまうのだ。だが掃除が得意な為、汚部屋化する事は無くギリギリ部屋の治安を保ってきた。(掃除にうるさかった母と、掃除の仕方を徹底的に教えてくれた小学校6年の頃の担任のMr. M氏に感謝を捧げる)
断捨離とはヨガの考え方を元にしたもので、不要な物を断ち、捨て、そして物への執着から離れることにより身軽で快適な暮らしや人生を手に入れようとする概念だそうだ。今や誰もが周知の考え方として市民権を得ている断捨離だが、実は2010年の流行語になった経緯を考えるとここ10年くらいの間に広まった比較的新しい概念のようだ。
9月のはじめ、猛暑でうだる日の午後。突然『断捨離したい!!』と思い立って始めた。何年か周期でやってくる断捨離熱が発熱したのだ。とはいえ、最初はなにを捨てたら良いのか皆目分からず、ウロウロと猿山の猿のように部屋を彷徨い、ソワソワしつつ途方に暮れる。
そんな時は先ずは紙類を捨ててみる。
ダイレクトメールやフリーペーパー、仕事関連の書類、保管期限が切れた取説、観たいと思ってとっておいた映画のチラシなど。紙類は1番処分しやすくて結構捗る。
その次は肌着類を捨ててみる。
靴下や下着、部屋着、Tシャツなど。まだ着れても、着心地が良くても、少しでもヨレたり古い感じがしたら潔く捨ててみる。最初勇気は要るがやってみると結構スッキリする。
その次は本をフリマアプリに出品してみる。
わたしのように本屋に行くのが面倒な人の目に留まれば買ってくれる。売れると嬉しくて、売りに出す本は無いか探し出し、更に出品する。一度読んで満足した本、旅関係のガイドブック、買ったけどあまり合わずに大して使わなかった語学関係の本など。探すと結構あるものだ。探し出すのが楽しくなってくる。
…ここまでくると、だいぶ『断捨離』のエンジンがかかり出す。『他に何か手放すもの無かったっけ?』と、クローゼットをゴソゴソ探し始める。あまり使わないバッグや服、衣装なんかをせっせと出品する。ここで売れ始めて更に楽しくなり、暇さえあれば『手放し』の対象物を探す事が習慣になってくる。
手放しのスタートは自転車の漕ぎ始めのようにスローなのだが、勢いが付いてくるとどんどん手放しに拍車が掛かり、『自分にとって本当に大切なものは何か?』の輪郭が見え始めるのだ。
YouTubeの【断捨離】がテーマの動画をラジオのように聞きながらひたすら作業に没頭するのが楽しい。いつも聞いているのは『ガルちゃん』の断捨離トピ。いろんな方の断捨離成功談やアイディア、モチベーションの上がる言葉が断捨離熱を高めてくれる。もしくは好きな音楽と良い香りで部屋を満たして作業する。
手放すモノを探し出し、処分したり出品したりしつつ、掃除をする。断捨離が進むと掃除も驚く程捗り始め、部屋が、空間が、心地よく整い浄化されていくのを感じられるようになる。
お彼岸の断捨離は、年末大掃除に向けての良いウォーミングアップとなる。モノに溢れた部屋をゼロから大掃除するのは本当にしんどい。ここである程度モノを減らして快適空間を拵えておいて、年末にキッチリ掃除して磨き上げるのが良い。年末年始を心地よく過ごしている自分を想像するとワクワクする。もっと断捨離と掃除を頑張ろうと思えるのだ。
断捨離を続けると頭の中も整理できる。
探し物で時間を取られる事も減る。
ごちゃごちゃした空間にイライラする事も無くなる。
厳選した『好きなモノ、大切なモノ』は、さらに丁寧に大切に扱うようになる。
心地よさや快適さは心の余裕を生み出す。
ただし、なんでも後先考えず捨てすぎてしまうのは逆にストレスや後悔を招くので注意が必要だ。
【何が自分にとって本当に大切か】
ここをしっかり踏まえた上で、選別していかなくてはならない。つまり部屋の整理=心の整理という事になる。大切なモノを選別すると、大切なモノを扱う自分自身も大切にできるようになる。面白い変化なのだが、食事、入浴、スキンケア、ボディケア、着るものなど以前『面倒くさい』と適当に済ませていた事の一つ一つに丁寧に意識を向けられるようになってきたのだ。
【大切なモノを選別し大切にする=自分を大切に扱う】事に繋がっていく。
このように断捨離は単にモノを手放すだけでなく、自分の内面へ目を向ける作業でもある。
気候がそろそろと秋に傾いてきた今日この頃、断捨離を始めてみてはいかがでしょうか。部屋と心と生活が少しずつ心地よく整っていく楽しさを感じられるかもしれません。
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