エストニア遠征大ピンチ④

2026年2月25日、17:00。

福岡空港到着。


大事をとって、一本早めた関西国際空港行き。18:15発の便に乗る。(当初取っていた便より1時間45分早い出発)心の奥で『きっと、何とかなる。この茶番は旅を楽しむ為の前振りなのだ』と言い聞かせ続ける。


お世話になっている方が、わざわざ見送りに来てくださった。こんな時なので余計、心強い。この時食べたカレーの味、きっと一生忘れない。(あごだしカレーの蒸し鶏のっけ)美味しかった。


セキュリティをくぐり、ゲートへ。ほどなくして搭乗。定刻通りだ。


が、搭乗しても一向に飛行機は動き出さない。空港の滑走路の混雑で、離陸ができないとの事。結局そのまま機内で30〜40分程待たされる。そしてメールに気付く。

何と、私が当初乗る予定だった便が30分の遅延。遅延連絡のメールだ。もしこれに乗る事にしていたら…計算すると、絶対に間に合わない。


通常の問題ない状態であったとしても、

あの広い関空での

搭乗→離陸→スーツケースのピックアップ→バスでターミナル間の移動→徒歩で国際線のゲートまで移動→航空会社カウンターに並ぶ→姓名取り違いの説明→現場の判断→セキュリティチェック→パスポートコントロール→搭乗ゲートへ移動


これだけの内容を1時間半もしくは1時間以内に出来る事が想像出来ない。かなりの高確率で乗れない、置いてきぼり、間違い無いだろう。詰み、だ。


だが私は【安心】を買っている。

一本早い便のチケット。

そして今、その便に乗っている。


可能性は残っている。現場スタッフの方々の温かい判断に委ねる時間がある。今少し遅延していても、まだ時間に余裕があるのだ。


20:05、関空到着。


荷物のピックアップに少し時間が掛かったがまだ余裕。国際線のカウンターへ行く。長蛇の列。ドキドキしながら、列に並ぶ。30分以上は待っただろうか。いよいよここで、判断が下る。


心臓は早く脈うち、身体からは嫌な汗。

頭の中に何度も、職員さんとのやりとりのシュミレーションが浮かんでは消える。

どうなるのだろう。どんなふうに対応されるのだろう。不安MAX、恐怖と緊張が全身に走る。そしてついに、自分の番が回ってきた。


スーツケースをベルトコンベアーに置き、状況を説明する。一瞬困った顔をされ、『こちらでは名前の訂正ができませんが』と言われる。発券元のB社でなければ書き換えが出来ないそうだ。にわかに周囲の職員がざわつく。異様な雰囲気を感じ取ったのか、女性職員が駆け寄ってきて、対応して下さる事になり、スーツケースと共に、一旦ゲートの外へ連れて行かれた。


彼女はB社に連絡を取ってくれ、状況を説明する。何やら不穏な雰囲気だ。私は待ちながら祈るような思いで見守った。なかなか判断が下りず、10分ほどそこで待機していた。緊張感と恐怖、ダメだった場合どうしよう?の感情がぐるぐると回りながら心をギュッとさせる。


そしてようやく、彼女はカウンターから出てきて私の元に結果を伝えにきた。

『…結論としましては、B社では名前の訂正が出来ません。購入したA社に権限があり…。ただ、今回の搭乗は可能です。帰りの便は保証出来ませんが、それでも良ければ…』


つまり、今日の便には乗れる。

ただし、帰りの便は現地の海外エアライン側のスタッフの判断に委ねられ、場合によっては新たなチケット購入が必要との事だ。


とりあえず、助かった。

全身の緊張が緩んだ。


今日飛べれば、コンペやワークショップなどの予定をちゃんと消化する事が出来る。後の事は、その時に何とかすればいい。兎に角1番大切なのは、今日この便に乗る事なのだ。


…A社の言う通りに、キャンセルしなくて良かった。半狂乱になって問い合わせまくったあの日、A社のオペレーターからキャンセルして買い直しを勧められたが、私は一縷の可能性に賭け、断った。そして今、その賭けに勝ったのだ。


…『ありがとうございます。了承しました。今日この便に乗ります。帰りの便は、あちらでスタッフに確認してみます。』

そう静かに伝えて、対応して下さった女性スタッフにお辞儀をした。搭乗を許可して下さったC社、B社のスタッフの皆様、本当にありがとうございます!!


そんな訳で、盛大なすったもんだはあったものの、私は何とかエストニア行きの飛行機に乗る事が出来た。ちなみに今、早朝のフィンランド・ヘルシンキ・ヴァンター国際空港でこの記事を書いている。


無事12時間半のフライトを終え、

トランジットを経て今日の午前中には、エストニア・タリン入り出来る見込みだ。

…こんなにも波瀾万丈の旅の幕開けが今まであっただろうか。


これだから人生は面白い。

無事乗れたから、言える事だけど。


パスポートコントロールの現地職員との英語での会話。

『旅の予定地と目的は?』

『エストニアのタリンで開催されるベリーダンスのコンペティションに参加する為です』

『どんなダンス?』

『ご存知ですか?こう、お腹を使って踊るベリーダンス。アラビアの踊り。』

『ああ、ベリーダンス!あなたは教師?それとも踊るの?』

『今回私は踊る為に来ました』

『ベリーダンスの国際コンペティションね。規模は大きいの?』

『いえ、小さな規模のコンペティションですよ』

『そっか…楽しんで!』


着いていきなり、しかもパスポートコントロールでこんな会話になろうとは。担当してくれたのは、とてもフレンドリーなイケメンの職員さんだった。


ゲートを潜って、

私は『あぁ、踊る為にここまで来たんだなぁ』と静かに喜びを噛みしめた。ムーミンの国の空港で。あちこちにムーミンやニョロニョロが居て、ほっこりと心が和む。


今日から始まるエストニアでの日々、どんな事が待ち受けているのか。どんな学びと出会いが始まるのか。とても、楽しみだ。


外は真っ白、吹雪の朝。2026年、2月26日。

私は今、北欧に居る。


Bellydance Najm Fukuoka

ベリーダンス ナジュム福岡 -福岡のベリーダンス教室-

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